乾燥すると洗濯物は乾きやすい?

私たちが暮らす中で「当たり前」としていることにも「湿度」は密接に関わっています。それは「洗濯」です。高度な文明を手に入れた私たちは「清潔」であることを強く望んでいます。清潔でなければ不快に感じ、また健康的にもよくないとかんがえています。そんな私たちは日々の生活の中で当然のように洗濯を行うのです。

洗濯は着ていた衣類を水と洗剤などで洗う行為です。パッと見るだけでは汚れていないように感じる衣服も、一旦 着用すればそれは汚れています。特に私たちの肌に直に接するインナー類は 汗と垢に汚れていくのです。私たちの体は常に新陳代謝を続けています。その新陳代謝によって肌の表面には「老廃物」が発生し、それらがインナーを汚していきます。汚れたままではそれらの衣服はやがて臭いを発するようになり、着ている本人、そして周囲の人々に不快感を与えることになってしまうのです。それらは付着した汗や老廃物を媒介として繁殖する雑菌の仕業です。汗や老廃物自体はなんら不潔ではないのですが、それらを餌にして繁殖した雑菌が不潔なのです。臭いを発したり、私たちの健康を損ねることすらあります。

それらの雑菌を衣類から駆逐するために、私たちは洗濯をします。衣類を清潔な状態にしておくためには洗濯はなくてはならない行為というわけです。その洗濯は、衣類を洗うだけでは終わりません。それら洗浄した衣類を「乾かす」というプロセスが必ず発生します。乾かすためのもっとも一般的な方法として、「干す」という行為が挙げられます。洗って濡れた衣類を空気にさらし、乾燥させるのです。

洗った衣類を空気にさらすと、含んだ水分が蒸発していきます。蒸発した水分の行き先は「空気」の中になります。つまり、衣類に含まれた水分は「湿度」としてその存在する場所を移動することになるのです。それが「乾く」ということです。濡れた衣類に含まれた水分は、乾くと共に空気中に放たれるのです。それが「部屋の中」でのことだった場合は、その中の空気がふくむことが出来る水分の量に限りがあるため、「湿度」に左右されるということになります。

そう、乾燥していれば衣服は乾きやすいということになるのです。

そして乾燥した空気中で衣類を干せば、その空間の空気中に水分を補給するということにもなります。「濡れたタオルで乾燥状態を潤す」ということと似ています。ですから、乾燥した室内では水分を空気中に補充する方法として「部屋干し」という方法も考えられるのです。ですが注意したいのは空気が含むことができる水分の限界値はその空気の「温度」に左右されるということです。自然に乾燥した状態になり、それが悩みになるような時期は日本では主に「秋から冬」です。慢性的に気温が低いはずですから、ある程度部屋を暖めておかなければ「洗濯物が乾く」という期待した結果が得られないことになるでしょう。洗濯物を干して空気に潤いを与えようということは一度の行為で2つの効果を得ようとする試みですから、洗濯物が乾かなければ意味がないのです。そのためには、ある程度湿度を保てる気温まで、室温を上げておきましょう。

気温が低くても天気が雨だったりすると、空気はすでに湿気を帯びていることがあります。気温が低くても、乾燥していない状態であるかもしれません。そのようなときはなかなか洗濯物が乾かないということも起きてしまうものですから、十分にそのときの空気の状態を判断したいものです。

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