エアコンをつけると乾燥する?

私たちの生活は日に日に快適になってきました。全自動の洗濯機、冷めた料理やお弁当を温める電子レンジ、食器洗い乾燥機、自動で動く掃除機など、いわゆる「家電」といわれる製品は枚挙にいとまがありません。そしてそれらの家電の中でももっともポピュラーで、生活に欠かせないものがエアコンです。四季のあるこの日本では、このエアコンがなければ一年のうちの半分以上が快適に過ごすことができません。私たちが快適に過ごせる気温というのは限られていて、それは実に幅が狭いものなのです。ですから、自在に室温を調節できるエアコンは生活になくてはならないものになっています。

夏は暑いです。それは常識であり、季節の移り変わりで時が経つのを感じることは、私たち日本人ならではの感覚かもしれません。同じ国土に暮らすみんなが同じ季節を感じることは、実は国土の広い国では想像もできないことなのです。私たちの日本は、温暖で湿潤な気候といわれています。バランスよく雨が降り、日が照らし、この気候に合った作物を育んでいます。夏が来なかったり、冬がなかったりすれば、私たちの暮らしは全然違ったものになっていたでしょう。少なからず私たちは、この季節の恩恵を受けているのです。

ですが、快適に過ごせる気温が、私たちは実に狭いのです。少し暑くなるだけで、体調を崩してしまうのです。私たちの体は実に繊細にできているのです。そんな私たちの暮らしに欠かせない存在となっているエアコン。エアコンは室外機と室内がそれぞれの役目を果たし、部屋を暖めたり、逆に涼しくしたりする、まさに「エアーコンダクター」、空気を司る機械です。エアコンを用いるのは主に夏場、そして「冬場」です。春や秋など、私たちにとって快適に過ごせる時期には休眠したかのごとく、電源を入れることは少ないでしょう。ですが、一度季節が移り変わるとそれは生活の中で常駐する重要なマシンになります。

日本の冬は乾燥します。寒くて乾燥するのです。寒いと、私たちは当たり前のようにエアコンを入れます。ですが、その際に室内の空気に含まれているわずかばかりの水分が、エアコンに吸収され、さらに乾いた状態になってしまいます。暖かくなっても、乾いた状態になってしまうのです。エアコンによっては「潤い」にフォーカスした機種もあるのですが、それでもやはり十分ではありません。エアコンを使用すると乾燥します。もともと、そのようなことに適した機構をしているからです。例えば梅雨場に重宝する「ドライ」の機能は、本当に室内の湿度をグングン吸い込むものです。それは新しいエアコンでも、古いエアコンでも機能に大差ないものになっています。それは「機能」というよりも、エアコンというアイテムの「機構」がそのようなことに適しているからです。ですから、乾燥どころか潤いが欲しい冬場でも、エアコンは私たちの意図に反して部屋の空気の水分を吸収してしまうのです。

このことにより、寒くはなくても慢性的な乾燥を感じるようになります。乾燥状態はさまざまな弊害を私たちに与えます。外は外で、寒くて乾燥している。室内は温かいけれどもさらに輪をかけて乾燥しているという状態になってしまうのです。そのようなことを回避するためには、別途加湿するのが一番です。或いは、エアコンではなく、ハロゲンヒーターなどを使用した上で加湿するなどの対策が考えられます。そのように工夫することで、潤いのある冬は実現可能です。

↑ PAGE TOP