乾燥している中干しっぱなしにした洗濯物

乾燥した空気は、暖めれば暖めるほど水分を吸収しやすくなります。水分は自然にどんどん蒸発していこうとします。道路の水たまりが乾いたり、濡れた髪の毛が乾いたり、干した衣類が乾いたりするのはそのためなのです。乾燥する季節に空気に潤いを与えようとして洗濯物を干したとすると、空気を暖かくしておけばそれだけ水分が空気中に蒸発しやすくなりますから、よく乾きます。状態によっては外に干した結果と同様の効果を得られることもあるでしょう。そのままおいておけば、空気はさらに水分を吸収していきます。洗濯物を乾かす手段として、「部屋干し」は十分に役割を果たせる方法なのです。

一人暮らしなどでは、なかなか洗濯物を外に干しておくことも難しいのではないでしょうか。日中は外に出ていて、在宅しているのは主に夜・・・という方は珍しくありません。日本の住宅事情もみんながみんな十分に洗濯物を干せる場所を確保できるわけでもありませんから、部屋の中で洗濯物を乾かすということが当たり前になっている方もいるでしょう。さらに男性であれば、いちいち洗濯物を畳んでしまっておくということも億劫になってしまうのではないでしょうか。そのような際は干してある状態の洗濯物を直接取り、身に付けるというようなサイクルになってしまうでしょう。

冬の洗濯物部屋干しはそれがちょっと困った自体を発生させることになるかもしれません。

空気は流動的です。室内の空気もずっと停止しているわけではなく、絶え間なく動いています。その動いた空気の分子がさらされた水分の分子と衝突して、水分が蒸発できるだけの「エネルギー」を発生させ、水分が空気中に蒸発するのです。濡れた状態からすると「乾く」ということです。空気が停止していれば、その分だけ乾くのが遅くなるでしょう。空気が循環している方が、対流となっている方が、乾きやすいのです。その対流が「風」として私たちに感知できるような状態であれば尚更です。干した洗濯物はよく乾きます。

そして空気を暖めておけばさらに空気は水分を吸収しやすくなります。髪を乾かす「ドライヤー」を思い出してください。「熱風」が噴出されています。乾かすための最善の状態を、人為的且つ局所的に再現したものが「ドライヤー」なのです。

さて、洗濯物を乾燥した大気中に「ずっと干しておく」ということを続けた場合何が起こるのでしょうか。実は衣類や私たちの髪の毛は、「乾いた」ように感じたとしてもある程度の水分は含んでいます。それが着心地や触り心地に反映されるのですが、なかなか乾いた状態の衣類や髪の毛で「今の水分含有量はどれくらいか」と考えることもないでしょう。

ですが、干したままにしておくと衣類はさらに乾いていきます。それは乾燥した空気が際限なく水分を吸収していくからです。その結果、衣類は「ゴワゴワ」になります。柔らかさに欠け、手触りも悪くなり、とても「着られる状態」ではなくなります。衣類をたたまず、ずっと干したままにしておくと、特に冬ではそれらの衣類の着心地はとても悪くなるのです。それは乾燥した季節に私たちが感じる髪の毛や肌へのダメージと同じです。必要以上に水分が空気に奪われていってしまうのです。

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